播彦の想い・技
美味しさと感動をお届けするために。
嘉永二年に漢方医・野村彦次郎が、大阪・島之内で煎餅司の暖簾を掲げたのが播彦の始まりです。
「美味しさと感動をお届けする」を基本理念に六代百七十年間を歩んでまいりました。洋風せんべい、野菜を練り込んだせんべい、そして季節の草花を描いたせんべい。
長年受け継いできた技術と創意工夫で新しい感動を呼び起こす。
これが、私たちが目指す菓子づくりです。
播彦の技
新しい味を求め伝統の技術にさらに磨きをかける。
せんべいと言うと関東では、醤油や塩で味をつけた米菓を連想しますが、関西では古くから、
砂糖に玉子や小麦粉を加えて焼き上げた瓦せんべいなどの「玉子せんべい」が主流です。
せんべいは、同じ生地でも厚さが数ミリ違うだけで、風味や食感が大きく変わります。
玉子の優しい甘さが香る、薄くて繊細なせんべいには熟練の技術が必要です。
手絞りした生地を四季の風物へと焼き上げる昔ながらの手焼きや、
バターやチョコレートを練り込んで焦げやすくなった生地を美しい黄金色に仕上げる見極め。
播彦の工場では、手焼きでも焼成機でも、江戸時代より脈々と受け継いできた手法や志を守って、
1枚1枚丹精込めて焼き上げています。
なお、播彦の工場施設は、1990年に食品衛生管理で高水準の評価を受け、
食品を扱う企業として最高の名誉である厚生大臣表彰も授与されています。
素材へのこだわり
安心・安全のために、真心を込めて素材を厳選しています。
播彦のせんべいの主原料は国内産小麦。穀物はその年の天候によって出来が左右されるため、
あえて生産地を限定せず、必要な時に信頼できる生産者から仕入れるようにしています。
風味豊かなせんべいには、新鮮な玉子や旬の野菜も欠かせません。
また、地元大阪の河内ぶどう、長崎県の海岸で太陽の光を浴びて育ったみずみずしい茂木びわ、
ジューシーな山形さくらんぼ、うまみがギュッと詰まった北海道十勝産の小豆など、
厳選した自然の恵みも取り入れています。
せんべいには意外と思われる洋風食材も、ベルギー産クーベルチュールチョコレートや
オランダ産エダムチーズなど、播彦のせんべいに合う素材を選んでいます。
菓子への想い
四季の美しさや恵み豊かな自然を表現したい。
代々伝わってきた「暖簾は守るものではなく、興すもの」という教え。
私たちは長い歴史を持つ煎餅司ですが、どの時代も、新しい味を求めて創意工夫に努めてまいりました。
西洋のライフスタイルが好まれ始めた時勢を読み、いち早くレモンやオレンジなどの果実や
チョコレートなどを練り込んだ洋風せんべいを販売した80年代。
そして近年、自然の豊かさや四季が織りなす感動を表現しようと、薄く繊細なせんべいに
季節の草花を描いたせんべい「花はんなり」を生み出しました。
その商品を高く評価していただき、1998年の第23回全国菓子大博覧会・盛岡において
「花はんなり」が名誉総裁賞を受賞しています。
播彦はこれからも、人と人を笑顔で結ぶ菓子づくりを続けてまいります。